オランダのデザインの首都、アイントホーフェン(Eindhoven)

Jeroen Apers, 2013年10月16日

実業家フィリップス家一族が、静かな村だったアイントホーフェン(Eindhoven)を有名にしようと発起したのがきっかけとなりました。「フィリップス(Philips)」は、初めて電球を量産した会社の一つです。長い年月の後、フィリップスはカセットテープとCDで途方もない成功を収めました。革新的なデザインでその地位を築いたフィリップスが、オランダ初の「デザイン・アカデミー(Design Academy)」を設立したことは、驚くことではありませんでした。古くからあるデザインスクールを元に設立されたこの教育機関は、世界的に有名なデザイナーを数多く輩出しました。

そんなデザイナーの1人、マールテン・バース(Maarten Baas)は、彼の卒業制作である「スモーク(Smoke)」で近年有名になりました。これはデザインの古典作品を文字通り焼いて、エポキシコーティングで保存するというものです。賛否両論を呼ぶ彼の家具は、ブラッド・ピットをはじめ世界中にそのファン層を広げており、最先端でホットかつ注目を集めています。彼の最新のプロジェクトの1つに、いくつかの時計の針を時計の中の人間たちが毎分手作業で動かしているという空想をビデオに記録した「リアル・タイム(Real Time)」という作品もあります。

「デザイン・アカデミー」の1990年卒業生で、卒業制作で世界的名声を得たデザイナーが他にもいます。ピート・ハイン・エーク(Piet Hein Eek)は、廃材で作った革命とも言うべき戸棚を作り出しました。古い材料をリサイクルするというアイデアが当時斬新とされ、以来何度もそのアイデアが使われてきました。アイントホーフェンに行かれるなら、町の郊外にある彼のデザイン工場を訪れてみてはいかがでしょうか。ここで彼の家具をご購入いただくこともできます。

「オランダ・デザイン・ウィーク(Dutch Design Week)」は、クリエイティブなアイントホーフェンの毎年恒例の一大イベントです。10月に開催される、概ね参加無料のこのフェスティバルには、20万人以上の人々が訪れます。この1週間を通し、300カ所以上でデザイナーやアーティストたちが自らの最新作を披露しています。町の中心部にある、フィリップス社の電球工場として使われていた「ウィッテ・ダム(Witte Dame(白い貴婦人)」で開催される卒業制作ショーはその一例です。将来のスター・デザイナーとなるであろう、「デザイン・アカデミー」が輩出する新進気鋭の人材が生み出す賞賛すべきコレクションに、ここで出会えます。

「オランダ・デザイン・ウィーク」期間中に訪れるべき最新のホットスポットは、元々工場として使われていた「デ・ストライプ(De Strijp)」です。かつてはフィリップス社の建物だったのですが、今はコンテンポラリーなデザイン会社の本社がいくつも居を構えています。「デザイン・ウィーク」期間中、ここはにぎやかなフェスティバル会場となり、食堂、バー、展覧会会場として使われます。真ん中には、レストラン「ラジオ・ロイヤール(Radio Royaal)」があり、フェスティバルがなければ飲食するのにもってこいの場所です。ここは、彼らいわく、「300平方メートルの粗削りな工業デザインに囲まれてワインと食事を楽しめる」場所とのことです。