オランダのスケートの伝統

Ulrike Grafberger, 2013年3月5日, 827 ビュー

オランダのスケートの伝統

海洋性気候で冬が穏やかな国で、一番人気のあるスポーツのひとつがスケートというのは不思議なことです。人口の氷やスケートリンクで甘んじる人々がいる一方で、オランダ人は、凍った運河、湖、池、小川、水路など自然の氷に真の幸福を見出すのです。 氷と銀色のブレードに対するこの愛着は、どこからきているのでしょうか?これを探ろうとしたところ、オランダにはシャーツヒストリクス(schaatshistoricus)、つまりアイススケートの歴史を専門とする歴史学者がいるということを発見しました。彼の名前はマルニクス・コールハース(Marnix Koolhaas)。快く親切に色々な情報を教えてくれました。

読む

海洋性気候で冬が穏やかな国で、一番人気のあるスポーツのひとつがスケートというのは不思議なことです。人口の氷やスケートリンクで甘んじる人々がいる一方で、オランダ人は、凍った運河、湖、池、小川、水路など自然の氷に真の幸福を見出すのです。

氷と銀色のブレードに対するこの愛着は、どこからきているのでしょうか?これを探ろうとしたところ、オランダにはシャーツヒストリクス(schaatshistoricus)、つまりアイススケートの歴史を専門とする歴史学者がいるということを発見しました。彼の名前はマルニクス・コールハース(Marnix Koolhaas)。快く親切に色々な情報を教えてくれました。

人気の娯楽としてのアイススケート

マルニクス・コールハースによると、オランダ人のアイススケート熱は宗教改革に端を発するとのこと。「16世紀、オランダでカルバン主義が台頭すると、謝肉祭を含め、カトリック教徒のお祭りの多くが廃止されました。アイススケートは、こういったお祭りの代わりとなるものでした。人々は、氷の上では自由で独立した気分を味わえましたし、厳しい基準や法律からほんのひととき逃避できたのです。それ以来、お祭りは氷の上で行われるようになったのです。」
マルニクスはこう続けました。「オランダは昔、フェルザウリン(verzuiling)という「柱状社会」で、人々はそれぞれの「柱」に属していました。プロテスタント、カトリック、社会主義、自由主義などの「柱」があって、私的な生活も公的な生活も、皆その「柱」の中で営んでいました。そういうわけで、今でもアムステルダムにはカトリックのサッカークラブがあります。でも、アイススケートだけは柱状化されなかったのです。どの宗教社会や政党に属していようと、氷の上では皆平等、ということです。なので、カトリックのアイススケートクラブは存在しないのです。」氷の上は楽しくて、自由 ― これには納得です。でも、オランダ人にアイススケートの血が流れている理由は他にもあります。氷の上では、つま先立ちしてくるくる回れるだけでなく、長距離を移動することもできるからです。

モップを使っておじいちゃんとおばあちゃんの家へ

オランダでは、どうしてアイススケートがそんなにも重要な役割を果たしているのでしょうか?筆者には、フリジア人の義母がいます。東フリジア人ではなく、オランダのフリジア人です。彼女なら、アイススケートの重要性について何か知っているはずです。11あるフリジア人の町をアイススケートで駆け抜ける世界的に有名な11都市ツアーのコースだって、彼女の家のドアのほんのすぐ横を通っているくらいですから。彼女は子ども時代の話をしてくれました。「子どもの頃、歩けるようになったらすぐに氷の上に連れて行かれたわ。あの頃はまだブレードが木製で、下に鉄がはめられていただけだったの。昔は氷の上の移動がとても重要で、家に自転車は1台だけだったし、親戚の家に行こうとしても、5km先の家もあったから、そうなると特に子どもにとってはちょっとした旅行ね。私が6歳の時、冬になると、凍った運河を通っておじいちゃんとおばあちゃんの家に遊びに行っていたの。両親は、モップの先の部分を取り外して柄の部分だけにして、それを持って氷に乗っていたわ。両親は柄の先を持って、私は柄の反対側の先を持って両親の後について滑っていたのよ。疲れて自分で滑れなくなったら、引っ張ってもらえるでしょう。」

「水が凍るとオランダ人とフリジア人が溶ける」

マルニクスは、義母の話を聞いてこう言いました。
「冬になって水路が凍ると、ボートや馬を持っていなかった人たちにとって、本当の意味での自由がやって来たのです。」
社会生活も、家族のきずなも、自然が冬眠に入るまでは、なかなか活気づかなかったのでしょう。

今はどうでしょうか?氷の上のオランダ人たちを見れば、表情から彼らの気持ちが分かるのではないでしょうか。そう、楽しくて、純粋に自由です。小さな幼児だって、氷の上を滑っています。冬がまたすぐにやって来たら、きっと氷の向こうのおばあちゃんの家を訪ねるのでしょう。

オランダの四季折々の魅力を探求してください

オランダは四季を通じて美しい国です。春夏秋冬、素晴らしいホリディの為のヒント

読む

このブロガーから詳細情報